ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品は、「後発医薬品」ともいわれ、先発医薬品(新規医薬品)と有効成分、含量、用量・用法、効能・効果が同一の医薬品です。ただし、添加物など異なるものもあり、まったく先発医薬品と同じというわけではなく、「先発医薬品とおおむね同じ薬」と考えてください。

先発医薬品とは、新薬です。新しい薬を開発するのには、薬として役に立ちそうな成分を探すことからはじまり、製造にこぎつけるまで十数年もの長い年月と、何百億円という膨大な費用がかかります。そのため、新薬が特許を出願してから20~25年間は、開発した製薬会社がこれを独占的に製造して販売することができます。

しかし、新薬の特許期間が満了すると、ほかの製薬会社も、同じ有効成分の薬を厚生労働省の承認を得て製造・販売することができるようになります。これが、ジェネリック医薬品、つまり後発医薬品です。

ジェネリック医薬品は、研究開発費が新薬と比べて格段に安くすむため、新薬と同じ有効成分を含んでいながら、薬の価格を低く設定できるのが大きな特徴です。

欧米諸国では、すでにジェネリック医薬品は処方全体の50%以上のシェアを占めていますが、日本ではまだ処方全体に占める割合は17%程度(平成18年・医薬工業協議会調べ)にすぎません。しかし、医療費を削減するために平成20年4月から、ますますジェネリック医薬品の使用が推進されています。日本の国民皆保険制度を守るためには、医療費の削減を1人ひとりが重要な問題として考え、よいジェネリック医薬品を使ってほしいものです。

特に、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病の患者さんは、長期にわたって薬をのみ続けることが必要になるため薬代の負担も大きくなります。ジェネリック医薬品を使用するとどのくらい薬代が安くなるかは、薬によって異なりますから、薬局でジェネリック医薬品に替えると実際の負担額がどのくらいになるかを確認しておくとよいでしょう。

ただ、現在服用しているすべての薬にジェネリック医薬品があるわけではありませんし、いろいろな薬を試した結果、やっと現在の薬で症状が安定しているという場合、先発医薬品と後発医薬品のわずかな違いが問題となることもあり、薬を替えないほうがよい場合もあります。

処方を希望するには

ジェネリック医薬品を利用したいときは、その旨をまず、医師にはっきりと申し出ることが必要です。ただ、平成20年4月からは後発医薬品の使用促進は、医師や薬剤師にとっては義務となりました。それに伴い、医師が書く処方箋も変更されました。医師が、特別にこの薬でなければならないと判断する場合は、「変更不可」といった記載が必要となりますが、その記載がないものに関しては、患者さんと薬剤師が話し合って、患者さんの承諾のもとジェネリック医薬品を使用します。

なお、新薬と同じ有効成分を含むジェネリック医薬品でも、1つの新薬に対してさまざまな製薬会社からたくさんの種類が製造販売されていますし、その価格にも幅があります。種類によっては健康保険で認められている適応症が異なることがあります。また、一部のジェネリック医薬品では、薬の体内での溶け方にばらつきが認められるなど、新薬とまったく同じ作用効果があるとはいえないものもあります。

こうしたジェネリック医薬品についてのさまざまな情報を得るためにも、ぜひ、かかりつけ薬局をもつことが大切です。かかりつけ薬局の薬剤師ならば、患者さんがそれまで使用していた薬のことをよく知っているだけに、きめ細かく相談に応じることができます。

出典:保健同人社Webコンテンツ「薬の知識」

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