診療報酬明細書等の開示に係る取扱要領

第1:目的

この要領は、健康保険組合における診療報酬明細書、調剤報酬明細書及び訪問看護療養費明細書(以下「レセプト」という。)の開示請求又は開示依頼があった場合における取扱いに関し、その基本的事項を定め、もって個人のプライバシーの保護及び診療上の問題に係る取扱いに十分配慮をしつつ被保険者等へのサービスの一層の充実を図るとともに、健康保険組合におけるレセプトの開示業務の円滑かつ適正な遂行に資することを目的とする。

第2:開示対象レセプトの範囲

開示の対象は、健康保険組合が保管するレセプトとする。

第3:開示請求の取扱いの整理

平成17年4月1日より個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)(以下「法」という。)が施行され、法においては、「個人情報」は「生存する個人」に関する情報に限定される(法第2条第1項)ことから、被保険者又は被扶養者本人からの開示請求は法に基づく「開示請求」として取り扱うこととし、遺族からの「開示依頼」については、サービスの一環として対応することとすること。

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第4:開示請求又は開示依頼を行いうる者の範囲

個人のプライバシーの保護を図る観点から、次に掲げる者に限り開示請求又は開示依頼に応じること。

1.被保険者等

(1) 被保険者又は被扶養者本人(被保険者であった者及び被扶養者であった者を含む。)(以下「被保険者」という。)

(2) 被保険者が未成年者又は成年被後見人である場合における法定代理人

(3) 被保険者本人が開示請求をすることにつき委任をした代理人(任意代理人)

2.遺族等

(1) 被保険者が死亡している場合にあって、当該被保険者の父母、配偶者若しくは子又はこれらに準ずる者(以下「遺族」という。)

(2) 遺族が未成年者又は成年被後見人である場合における法定代理人

(3) 遺族がレセプトの開示依頼をすることにつき委任した代理人(任意代理人)

第5:開示請求又は開示依頼に応じる手続き

開示請求又は開示依頼があった場合は、当該開示請求又は開示依頼を行う者の利便性を考慮し、本人に過重な負担を課すものとならない範囲において、健康保険組合で受け付けること。

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第6:業務処理方法

1.被保険者等からの開示請求の場合

1)開示請求に係る書類の受付
開示請求の受付に当たっては、「診療報酬明細書等開示請求書」(別記様式1)(以下「請求書」という。)を提出させること。
この場合、当該開示請求を行う者(以下「請求者」という。)に対し、別紙1「診療報酬明細書等の開示請求をされる方へのお知らせ(本人用)」を必ず配布又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し理解を求めること。

(1) 請求者の本人確認の必要性
(2) 保険医療機関、指定訪問看護事業者(以下「保険医療機関等」という。)に対する事前確認の必要性
(3) 診療報酬明細書等の「傷病名」欄、「摘要」欄、「医学管理」欄、全体の「その他」欄、「処置・手術」欄中の「その他」欄及び「症状詳記」(以下「傷病名等」という。)を伏せた開示を希望する場合は、保険医療機関等に対する事前確認は要しないこと
(4) 調剤報酬明細書については、開示請求があったことを事後的に調剤薬局にお知らせする旨
(5) 本人の診療上支障が生ずると考えられる場合については開示できない旨
(6) 開示請求のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
(7) 診療内容に係る照会については対応できない旨
(8) レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨
(9) 交付の方法について
(10) 交付までの所要日数について
(11)開示請求に必要な書類について (12)開示請求には手数料の支払が必要である旨
(13)郵送による開示を希望する場合は送料がかかる旨
(14)部分開示又は不開示の決定の場合における被保険者等への苦情への対応窓口について

2) 請求者の本人確認方法
請求者の本人確認は、以下に掲げる書類(郵送による請求の場合は、その写し)の提出又は提示を求めて確認すること。
なお、提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しを取るものとし、その際には本人の了解を得ること。
また、郵送により開示請求を行う場合は、以下に掲げる書類の写しに加えてその者の住民票の写し又は外国人登録原票の写し(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る)を提出させること。

(1) 被保険者による開示請求の場合
下記ア又はイに掲げる書類で請求書に記載された氏名、住所(居所)が同一であることを確認すること。
また、婚姻等によって、開示請求時の氏名が診療時の氏名と異なる場合には、旧姓等が確認できる書類の提出又は提示を求めて確認すること。

ア.健康保険組合等が発行しているもの
健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証を含む。)

イ.行政機関が発行しているもの
運転免許証、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、外国人登録証明書、住民基本台帳カード(住所が記載されているものに限る)、旅券(パスポート)、年金手帳(基礎年金番号通知書)、年金証書、共済年金証書、恩給証書等

※上記の本人確認書類を保持していない等、やむをえない場合においては、個別に本人確認のための書類として適切なものを判断すること。
具体例としては、外国政府が発行する外国旅券、上記ア又はイの書類が更新中の場合に交付される仮証明書や引換証類、地方公共団体が交付する療育手帳、敬老手帳等とする。

(2) 法定代理人からの開示請求の場合
法定代理人の本人確認は、前記(1)に掲げる書類で確認するほか、被保険者が未成年者又は成年被後見人であること及び請求者が当該被保険者の親権者若しくは未成年後見人又は成年後見人であることを次に掲げる書類のうち少なくとも一以上の書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る)の提出又は提示を求めて確認すること。

ア.戸籍謄本(抄本)
イ.住民票
ウ.登記事項証明書(「後見登記等に関する法律」による)
エ.家庭裁判所の証明書
オ.その他法定代理関係を確認し得る書類

(3) 任意代理人からの開示請求の場合
任意代理人の本人確認は、前記(1)に掲げる書類で確認するほか、次に掲げるいずれの書類(開示請求をする日前30日以内に作成されたものに限る)の提出を求め、当該被保険者からレセプトの開示請求に関する委任があることを確認すること。

ア.被保険者の署名・押印のあるレセプト開示請求にかかる「委任状」
イ.委任状に押印された印の印鑑登録証明書

3) 請求書の受理
請求書の受理に当たっては、請求者の本人確認及び請求書の各項目の記載に漏れ、誤りがないことの確認をすることとし、受理後、受付日付印を押印のうえ当該請求者へ請求書の控えを手渡す(郵送による請求の場合は送付する)こと。

4) 開示手数料の徴収
法第30条に基づき、手数料を徴収する場合は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において定めた額とすること。

5)保険医療機関等への照会
レセプトの開示に当たっては、開示することによって本人が傷病名等を知ったとしても本人の診療上支障が生じないことを事前に保険医療機関等に対して確認すること。
この確認に当たっては、「診療報酬明細書等の開示について(照会)」(別記様式2)に回答期限(発信日より14日間)を記入し、「診療報酬明細書等の開示について(回答)」(別記様式3)、開示請求のあったレセプトに係る開示用のレセプト(以下「開示用レセプト」という。)及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを発行した保険医療機関等(ただし、調剤報酬明細書については、当該調剤報酬明細書に記載された保険医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会すること。
当該レセプトを開示することにより本人の診療上支障が生じない場合については「開示」、診療上支障が生じる部分を伏して開示する場合については「部分開示」、当該レセプトを開示することにより診療上支障が生じる場合については「不開示」と区分すること。
なお、部分開示又は不開示とすることができるのは、レセプトを開示することによって、患者本人に重大な心理的影響を与え、その後の治療効果等に悪影響を及ぼす恐れがある場合に限られるため、部分開示又は不開示との回答については、その理由もあわせて記入を求めるとともに、開示が可能となる時期についてもできる限り記入してもらうよう努めること。
また、部分開示又は不開示の理由の記入が無い場合や回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関等に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図ること。
ただし、1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意した場合は、保険医療機関等への照会は行わないこと。
なお、当該調剤報酬明細書を開示する場合においては、当該調剤レセプトを発行した保険薬局に対し「調剤報酬明細書の開示について(お知らせ)」(別記様式4)によりその旨を速やかに事後連絡すること。

6) 開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて前記(5)の回答があった場合にあっては、その回答を踏まえ、開示、部分開示又は不開示を決定すること。また、1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意した場合は、部分開示を決定すること。
法定代理人又は任意代理人(以下「法定代理人等」という。)からの開示請求による場合は、原則として被保険者に対しレセプトの開示を行う旨の説明を行った後、法定代理人等に対して開示を行うものとすること。
なお、次に掲げる場合にあっては、当該レセプトについては開示の取扱いとすること。

(1) 保険医療機関等に対し照会を行った際に示した回答期限内に当該保険医療機関等から回答がなかった場合において、電話等により回答の要請をしてもなお回答が得られないとき。(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)
(2) 当該保険医療機関等の廃止等の事情により、保険医療機関等に対して前記(5)の照会を行うことができない場合。
(3) 照会の結果、送達不能で返戻された場合において、当該保険医療機関等を管轄する地方厚生(支)局に確認してもなお当該保険医療機関等の所在が確認できないとき。
(4) 照会の結果、部分開示・不開示の理由が記載されていない場合において、理由の記載を要請してもなお回答が得られないとき。(ただし、主治医と連絡中である等遅延に相当な事由が認められる場合を除く。)

7)決定通知書の送付及び開示の実施方法等の申し出
開示又は部分開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等開示決定通知書(以下「開示決定通知書」という。)」(別記様式5)により速やかに以下の事項等について請求者に通知を行うこと。

(1) 求めることができる開示の実施方法
(2) 窓口交付を実施することができる日時・場所(窓口交付を希望する場合には、窓口交付を実施することができる日時のうちから選択すべき旨)
(3) 郵送による交付を希望する場合の準備日数、送付に要する費用
この場合、「親展」扱いで郵送すること。

また、開示決定通知書と併せて「開示の実施方法等申出書(以下「実施方法等申出書」という。)」(別記様式6)を送付し、以下の事項等についての記入を求めること。

(1) 求める開示の実施方法
(2) 窓口交付を希望する場合の希望日時
なお、実施方法等申出書は、開示決定通知があった日から30日以内に提出するよう求め、期限内に実施方法等申出書の提出がない場合は、請求書に記載された方法により開示を実施すること。

8)開示又は部分開示の場合の開示の実施

(1) 窓口交付を希望した場合 実施方法等申出書において窓口による交付を希望する請求者については、以下のとおりの取扱いとする。

ア.交付を行う際の請求者本人であることの確認 先に請求者あて送付した開示決定通知書の提示を求め、前記(2)に準じて本人確認を行うこと。 ただし、受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、請求者本人であることの確認を行っても差し支えないこと。

イ.開示の実施 開示の実施に当たっては、当該開示用レセプト(1部に限る。)に「健康保険組合名」及び「開示日」を押印し、交付すること。 なお、交付の際は、受領者(請求者)から請求書の右下欄に署名を受けること。また、部分開示の決定を行った場合にあっては、当該不開示部分を伏したうえで開示すること。

ウ.開示用レセプトの保存 開示の実施方法等申出書に記載された開示の実施を希望する日から1ヵ月経過しても来所(連絡)がない場合は、開示用レセプトを破棄して差し支えないこと。

(2) 郵送による交付を希望した場合
実施方法等申出書において郵送による交付を希望する請求者については、以下のとおりの取扱いとする。

ア.書類の確認
郵送による交付を希望した場合、「実施方法等申出書」の提出を求めること。

イ.請求者への連絡及び交付
開示用レセプト(1部に限る。)に「健康保険組合名」及び「開示日」を押印したものを添付のうえ、速やかに請求者に交付すること。
なお、この場合、請求書の請求者欄の「住所」欄に記載された住所あてに「親展」扱いで送付すること。
また、部分開示の決定を行った場合にあっては、当該不開示部分を伏したうえで開示すること。

ウ.返戻分の取扱い
送達不能で返戻された開示用レセプトは、返戻された日から1カ月経過しても来所(連絡)がない場合、破棄しても差し支えないこと。

9)不開示の場合の取扱い
不開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等不開示決定通知書(以下「不開示決定通知書」という。)」(別記様式7)により速やかに請求者に通知すること。
なお、この場合、請求書の請求者欄の「住所」欄に記載された住所あてに送付すること。

10)部分開示・不開示の場合の理由等の記載について
部分開示・不開示の決定を行う場合については、その理由 1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことにより部分開示を行った場合は、その旨を決定通知書に記載することとする。
また、保険医療機関等から開示が可能となる時期が示されている場合には、その時期についても記載するものとする。

11)不存在の場合の取扱い
開示請求があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、不開示決定通知書により速やかに請求者に通知すること。
この場合、不開示の理由の欄に、レセプトの存在が確認できない旨(又は、保存期間が経過したため既に廃棄している旨)を記入すること。
なお、この場合、請求書の請求者欄の「住所」欄に記載された住所あてに送付すること。

12) 再審査請求中又は返戻中のレセプトの取扱い
再審査請求中又は返戻中のレセプトについて開示請求があった場合には、基本的には、戻ってきたレセプトについて、開示等の決定をすることとするが、再審査請求前又は返戻前のレセプトの開示請求があった場合は、前記(5)により、保険医療機関等へ本人の診療上支障が生じないか照会した上で決定を行うこと。
その際の手続きについては、前記6)~10)によるものとする。

13) 保険医療機関等への連絡
1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことによりレセプトを部分開示した場合には、そのレセプトを発行した保険医療機関等に対し、その開示した旨(開示に関する、受診者、請求者、開示年月日及び診療年月の情報)を速やかに連絡すること。

14) 決定の期限
被保険者等からの開示請求の場合は、請求書を受理してから30日以内に決定を行わなければならない。
しかしながら、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、30日以内に限り、延長することができる。この場合、請求者に「診療報酬明細書等の開示決定等の期限の延長について」(別記様式8)によりその旨を通知すること。

15)「開示が可能となる時期」の到来時の取扱い
部分開示 1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことにより部分開示を行った場合を除く。又は不開示の決定を行った場合であって、開示が可能となる時期が保険医療機関等から示されている場合は、当該時期が到来次第レセプトを開示すること。
ただし、保険医療機関等から事情が変わった旨の連絡があった場合は除く。
なお、その際の開示の手続きについては、前記7) 8)によるものとすること。

16) 部分開示・不開示に対する苦情処理
部分開示 1)(3)の説明を行った結果、傷病名等の記載を不開示にする取扱いについて請求者が同意したことにより部分開示を行った場合を除く。又は不開示決定に対する苦情の適切かつ迅速な対応を行うにあたり、苦情への対応の窓口設置や苦情への対応の手順を定めるなど必要な体制の整備に努めること。

2.遺族等からの開示依頼の場合

1)開示依頼に係る書類の受付
開示依頼の受付に当たっては、「診療報酬明細書等開示依頼書」(別記様式9)(以下「依頼書」という。)を提出させること。
この場合、当該開示依頼を行なう者(以下「依頼者」という。)に対し、別紙2「診療報酬明細書の開示依頼をされる方へのお知らせ(遺族用)」を必ず配布又は送付するとともに、次に掲げる事項を十分説明し理解を求めること。

(1) 依頼者の本人確認の必要性
(2) レセプトが医師の個人情報である場合において、保険医療機関等から開示について事前に同意が得られない場合は、原則として開示ができない旨
(3) レセプトが医師の個人情報である場合において、遺族から保険医療機関等に対する事前の照会について同意が得られていない場合は、不開示決定を行わざるをえない旨
(4) レセプトを開示する場合については、遺族の同意が得られていれば、レセプトを開示したことを事後的に保険医療機関等に連絡する旨。また、保険医療機関等への連絡について遺族の同意が得られていない場合に、医師の個人情報に該当しないレセプトを開示した場合には、依頼者たる遺族の特定をしない形でレセプトを開示したことを保険医療機関等に連絡する旨
(5) 被保険者の生前の意思、名誉を傷つけるおそれがある場合については開示できない旨
(6) 開示依頼のあったレセプトが存在しない場合については開示できない旨
(7) 診療内容に係る照会については対応できない旨
(8) 交付の方法について
(9) 交付までの標準的な所要日数について
(10) 開示依頼に必要な書類について
(11) レセプトには必ずしも診療内容全てが記載されているものではない旨

また、依頼者には、以下の事項について診療報酬明細書等開示依頼書に記入させること。

(1) 保険医療機関等に開示についての意見を照会し、又は開示した旨を保険医療機関等に連絡することに同意するか否か
(2) レセプトを開示することが、亡くなった患者の生前の意思や名誉との関係で問題があるか否か
(3) レセプトの開示を依頼するに当たって特別な理由がある場合はその理由

2)依頼者の本人確認方法
依頼者の本人確認方法については、以下に掲げる書類(郵送による依頼の場合はその写し)の提出又は提示を求めて確認すること。なお、提示をもって確認した場合には、原則として提示された書類の写しを取るものとし、その際には本人の了解を得ること。

(1) 依頼者の本人確認方法
下記ア又はイに掲げる書類で依頼書に記載された氏名、住所(居所)が同一であることを確認すること。
また、婚姻等によって、開示依頼時の氏名が診療時の氏名と異なる場合には、旧姓等が確認できる書類の提出又は提示を求めて確認すること。

ア.健康保険組合等が発行しているもの
健康保険被保険者証(遠隔地被保険者証を含む。)

イ.行政機関が発行しているもの
運転免許証、国民健康保険被保険者証、共済組合員証、外国人登録証明書、住民基本台帳カード(住所が記載されているものに限る)、旅券(パスポート)、年金手帳(基礎年金番号通知書)、年金証書、共済年金証書、恩給証書等

※上記の本人確認書類を保持していない等、やむをえない場合においては、個別に本人確認のための書類として適切なものを判断すること。
具体例としては、外国政府が発行する外国旅券、上記ア又はイの書類が更新中の場合に交付される仮証明書や引換証類、地方公共団体が交付する療育手帳、敬老手帳等とする。

(2) 法定代理人からの開示依頼の場合
法定代理人の本人確認は、前記(1)に掲げる書類で確認するほか、遺族が未成年者又は成年被後見人であること及び依頼者が当該遺族の親権者若しくは未成年後見人又は成年後見人であることを次に掲げる書類のうち少なくとも一以上の書類(開示依頼をする日前30日以内に作成されたものに限る)の提出又は提示を求めて確認すること。

ア.戸籍謄本(抄本)
イ.住民票
ウ.登記事項証明書(「後見登記等に関する法律」による)
エ.家庭裁判所の証明書
オ.その他法定代理人関係を確認し得る書類

(3) 任意代理人からの開示依頼の場合
任意代理人の本人確認は、前記(1)に掲げる書類で確認するほか、次に掲げるいずれの書類(開示依頼をする日前30日以内に作成されたものに限る)の提出を求め、当該遺族からレセプトの開示依頼に関する委任があることを確認すること。

ア.遺族の署名・押印のある「レセプト開示依頼にかかる委任状」
イ.委任状に押印された印の印鑑登録証明書

(4) 遺族と被保険者の関係の確認等
遺族については、(1)~(3)のいずれの場合においても、当該被保険者の死亡の事実及び当該被保険者の遺族であることを次に掲げる書類のうち少なくとも一以上の書類の提出又は提示を求めて確認すること。

ア.戸籍謄本(抄本)
イ.住民票(除票)
ウ.死亡診断書

3)依頼書の受理
開示依頼の受理に当たっては、依頼者の本人確認及び依頼書の各項目の記載に漏れ、誤りがないことを確認することとし、受理後、受付日付印を押印のうえ当該依頼者へ依頼書の控えを手渡す(郵送による開示依頼の場合は送付する)こと。

4)保険医療機関等への照会
レセプトが医師の個人情報となる場合については、遺族の同意が得られていれば、開示についての意見を事前に保険医療機関等に確認すること。
この確認にあたっては、「診療報酬明細書等の遺族への開示について(照会)」(別記様式10)に回答期限(発信日より14日間)を記入し、「診療報酬明細書等の遺族への開示について(回答)」(別記様式11)、開示依頼のあったレセプトに係る開示用レセプト及び切手を貼付した返信用封筒を添えて、当該レセプトを発行した保険医療機関等(ただし、調剤報酬明細書については、当該調剤報酬明細書に記載された保険医療機関等)に対し、レセプト開示についての意見を照会すること。
当該レセプトを開示することに問題がない場合については「開示」、問題がある部分を伏して開示する場合については「部分開示」、問題がある場合については「不開示」と区分すること。
部分開示又は不開示との回答については、その理由もあわせて記入を求めること。
なお、部分開示又は不開示の理由が被保険者の生前の意思や名誉との関係から問題があるという理由の場合は、その旨を確認できる書類の写しの添付を求めること。
また、部分開示又は不開示の理由の記入が無い場合や回答期限が経過しても回答が無い場合については、当該保険医療機関等に対し電話等により回答の要請をするなど適切な対応を図ること。

5)開示、部分開示又は不開示の決定
保険医療機関等より、当該レセプトについて、前記(5)の回答があった場合にあっては、その回答を踏まえ、かつ、レセプトの開示を依頼するに当たっての特別な理由が存在する場合にはその内容も勘案して開示、部分開示、不開示を決定すること。
法定代理人等からの開示依頼による場合は、原則として遺族に対しレセプトの開示を行う旨の説明を行った後、法定代理人等に対して開示を行うものとすること。
なお、レセプトが医師の個人情報である場合においては、保険医療機関等に開示についての意見を照会することについて遺族の同意が得られていないときは、不開示の決定を行うものとし、また、レセプトが医師の個人情報でない場合には、開示の決定を行うものとすること。

6)開示又は部分開示の場合の連絡及び交付方法

(1) 窓口交付を希望した場合

ア.依頼者への連絡
開示又は部分開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ(以下「お知らせ」という。)」(別記様式12)により速やかに依頼者に連絡すること。この場合、「親展」扱いで郵送すること。
なお、当該お知らせを発送した日から1ヵ月経過しても来所(連絡)がない場合は、開示用レセプトを破棄して差し支えないこと。

イ.交付を行う際の依頼者本人であることの確認
先に依頼者あて送付したお知らせの提示を求め、前記(2)に準じて本人確認を行うこと。
ただし、受付時に本人確認の手段として提出された書類又は提示された書類の写しがある場合には、それにより、依頼者本人であることの確認を行っても差し支えないこと。

ウ.開示用レセプトの交付
開示用レセプトの交付に当たっては、当該開示用コピーレセプト(1部に限る。)に「健康保険組合名」及び「開示日」を押印し、交付すること。
なお、交付の際は、受領者(依頼者)から依頼書の右下欄に署名を受けること。

(2) 郵送による交付を希望した場合

ア.依頼者への連絡及び交付
開示又は部分開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等の開示についてのお知らせ」(別記様式13)に「健康保険組合名」及び「開示日」を押印した開示用レセプト(1部に限る。)を添付のうえ、速やかに依頼者に交付すること。
なお、この場合、依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所あてに「親展」扱いで送付すること。

イ.返戻分の取扱い
送達不能で返戻された開示用レセプトは、返戻された日から1カ月経過しても来所(連絡)がない場合、破棄しても差し支えないこと。

7)不開示の場合の取扱い
不開示の決定を行ったときは、「診療報酬明細書等の不開示について」(別記様式14)により速やかに依頼者に連絡すること。
なお、この場合、依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所あてに送付すること。

8)部分開示・不開示理由について
部分開示・不開示の決定を行う場合については、その理由を依頼者に通知することとする。

9)不存在の場合の取扱い
依頼があったレセプトについて、調査してもなおその存在が確認できない場合は「不存在」とし、「診療報酬明細書等の不開示について」(別記様式14)により速やかに依頼者に連絡すること。
この場合、不開示の理由の欄にレセプトの存在が確認できない旨(又は、保存期間が経過したために既に廃棄している旨)を記入すること。
なお、この場合、依頼書の依頼者欄の「住所」欄に記載された住所あてに送付すること。

10)再審査請求中又は返戻中のレセプト情報の取扱い
再審査依頼中又は返戻中のレセプトについて開示依頼があった場合には、基本的には、戻ってきたレセプトについて開示等の決定をすることとするが、再審査請求又は返戻前のレセプトの開示依頼があった場合は、前記5)により当該レセプトについて開示等の決定を行うこと。

11)保険医療機関等への連絡
レセプトを開示した場合には、遺族の同意が得られていれば、保険医療機関等(調剤報酬明細書を開示する場合においては、保険薬局)に対し、「診療報酬明細書等の開示について(お知らせ)」(別記様式15)により、その旨を速やかに連絡すること。
また、保険医療機関等への連絡について遺族の同意が得られていない場合に、医師の個人情報に該当しないレセプトを開示した場合には、依頼者たる遺族を特定をしない形で、その旨を速やかに保険医療機関等に連絡すること。
なお、前記5)の回答が不開示である場合において、最終的に開示すると決定した場合には、保険医療機関等に対し、開示することとした理由を付記した上で、開示した旨の連絡をすること。

12)標準業務処理期間
遺族からの開示依頼の場合は、依頼書を受理してから開示等の連絡及び交付に至るまでの業務処理期間は、30日程度を目途とすること。
この期間を超える場合には、依頼者に「診療報酬明細書等の開示について(遅延のお知らせ)」(別記様式16)によりその旨を連絡し、理解を得るよう努めること。

3.「レセプト開示受付・処理経過簿」の整理

請求書及び依頼書の受付から開示等の連絡及び交付に至るまでの処理経過については、その都度「レセプト開示受付・処理経過簿(本人用)」(別記様式17)「レセプト開示受付・処理経過簿(遺族用)」(別記様式18)、に記載し、進捗状況を把握すること。

第7:関係書類の整理保管

レセプト開示に係る一連の関係書類は、受付日毎に整理し保管すること。
なお、関係書類の保存期間については規程で定める年数とし、文書処理済(完結)となった年度の翌年度から起算するものであること。

附則 この取扱要領は、平成23年6月20日から適用する。

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